窓サッシ周りの雨漏り原因と特定方法修理の対策

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窓サッシ周りから伝わる水滴は、快適な住空間に静かに、しかし確実に影響を及ぼします。
放置すれば建材の劣化を早め、カビの発生や構造的な問題に繋がる可能性もあるため、早めの対処が肝心です。
雨漏りの原因は様々ですが、特に構造上水が浸入しやすい窓サッシ周りに注目することで、問題箇所を特定し、適切な対策を講じることが可能になります。
この記事では、窓サッシ周りの雨漏りの主な原因から、ご自身でできる発生箇所の特定方法、そして確実な修理方法について解説します。

窓サッシ周りの雨漏りの主な原因

コーキングの劣化ひび割れが原因

窓サッシと外壁の隙間を埋めるコーキング材は、雨水の浸入を防ぐ重要な役割を担っています。
しかし、紫外線や雨風、温度変化、建物のわずかな揺れなどによって、時間とともに劣化が進み、ひび割れや剥がれが発生しやすくなります。
このコーキング材に隙間や亀裂が生じると、そこから雨水が浸入し、窓サッシ周りからの雨漏りに繋がる最も一般的な原因となります。
特に築年数が経過した建物では、コーキングの劣化が進んでいる可能性が高いため注意が必要です。

外壁のひび割れシーリング切れが原因

窓サッシ周りの雨漏りは、サッシ自体だけでなく、その周辺の外壁やシーリング材の劣化が原因となることも少なくありません。
外壁に発生したひび割れや、外壁とサッシの間を繋ぐシーリング材（コーキング材と同様の役割）の切れ、剥がれなども、雨水の浸入口となります。
雨水がこれらの破損箇所から外壁内部に浸入し、構造材を伝って最終的に室内に漏れ出してくるケースが多く見られます。
外壁の状態を定期的に確認し、小さなひび割れやシーリングの劣化も見逃さないことが重要です。

窓サッシ自体の歪み施工不良が原因

窓サッシ自体の歪みや、設置時の施工不良が雨漏りを引き起こすこともあります。
地震による建物の揺れや、経年劣化によってサッシ枠が歪んでしまうと、ガラスとサッシ枠の間、あるいはサッシ枠と壁の間に隙間が生じ、そこから雨水が浸入する原因となります。
また、新築時やリフォーム時の施工が不十分で、防水処理が適切に行われていなかったり、サッシが水平・垂直に正しく設置されていなかったりする場合も、雨漏りのリスクを高めます。
サッシの開閉がスムーズでない、隙間風を感じるなどの場合は、歪みが生じている可能性も考えられます。

窓サッシ周りの雨漏り発生箇所の特定方法

雨染みカビの発生箇所を確認する

窓サッシ周りの雨漏りを特定する第一歩として、室内の壁や天井に現れる雨染みやカビの発生箇所を注意深く観察することが有効です。
雨染みは、雨水が壁材内部を伝って染み出てきた痕跡であり、その発生位置は雨水の浸入経路を推測する手がかりとなります。
特に、窓枠の上部や側面、下部から広がるように染みができている場合は、サッシ周りからの浸入が疑われます。
カビも同様に、湿気がこもりやすい箇所に発生するため、雨漏りのサインとして捉えることができます。

窓枠周りの建材の変色腐食をチェックする

室内の壁紙や塗装、窓枠周辺の建材に、変色やシミ、さらには腐食が見られる場合も、雨漏りの確実なサインです。
特に木材が使用されている部分では、水分によって黒ずんだり、触ると脆くなっていたりする状態がないかを確認しましょう。
外壁側でも、サッシ周りのサイディングやモルタルにひび割れや欠け、コーキングの剥がれなどがないかを目視で確認することで、雨水の浸入口を特定する手がかりを得られます。
建材のわずかな変化も見逃さずにチェックすることが、早期発見に繋がります。

悪天候時の状況を観察する

雨漏りの原因箇所を特定する最も直接的な方法は、実際に雨が降っている状況下で、どこから、いつ、どのように水が漏れてくるかを観察することです。
雨が降り始めた直後、雨量が多量になった時、あるいは雨が止んだ後に、窓サッシ周りのどこから水滴が垂れてくるか、壁の内部が濡れている箇所はないかなどを、時間をかけて注意深く観察します。
可能であれば、室内の壁や天井の様子と、外壁のサッシ周りの状態を同時に確認することで、雨水の浸入経路をより正確に把握することができます。

窓サッシ周りの雨漏り対処修理方法

応急処置として防水テープで一時

的に止める

雨漏りが発生した場合、まずは被害の拡大を防ぐための応急処置が重要となります。
その手段として、ホームセンターなどで入手できる防水テープや、強力な防水性を持つ養生テープなどを使用して、雨水の浸入口となりそうな箇所を一時的に塞ぐ方法があります。
特に、コーキングのひび割れや小さな隙間に対して、テープを隙間なく丁寧に貼り付けることで、雨水の浸入を一時的に食い止める効果が期待できます。
ただし、これはあくまで一時的な対応であり、根本的な解決には専門業者による修理が必要です。

専門業者によるコーキング打ち直しで根本修理する

窓サッシ周りの雨漏りで最も一般的な原因であるコーキングの劣化に対して、専門業者によるコーキングの打ち直しは、非常に効果の高い根本修理方法です。
この作業では、まず劣化した古いコーキング材を丁寧に除去し、サッシと外壁の間に十分な清掃を行います。
その後、プライマー（下地材）を塗布してから、防水性・耐久性に優れた新しいコーキング材を隙間なく充填し、表面を平滑に仕上げます。
これにより、雨水の浸入経路がしっかりと塞がれ、長期にわたって雨漏りを防ぐことが可能になります。

外壁補修サッシ交換で雨漏りを防ぐ

コーキングの劣化だけでなく、外壁自体の大きなひび割れや破損、あるいは窓サッシ自体の著しい歪みや腐食が原因で雨漏りが発生している場合は、より大規模な補修や、場合によってはサッシの交換が必要となります。
外壁のひび割れは、シーリング材の打ち増しや、損傷部分の補修材による処置を行います。
サッシの歪みが大きい場合や、サッシ自体が腐食している場合は、既存のサッシを取り外し、新しいサッシに交換する工事が必要になります。
これらの処置により、雨水の浸入経路を根本から断ち切り、建物の耐久性を回復させることができます。

まとめ

窓サッシ周りの雨漏りは、コーキングの劣化、外壁のひび割れ、サッシの歪みなど、複数の原因によって引き起こされます。
雨染みや建材の変色、悪天候時の状況観察によって、ご自身でも発生箇所を特定する手がかりを得ることが可能です。
応急処置として防水テープを使用することもできますが、根本的な解決のためには、専門業者によるコーキングの打ち直しや、必要に応じて外壁補修、サッシ交換といった適切な修理が不可欠です。
雨漏りは建物の寿命を縮めるだけでなく、健康被害にも繋がる可能性があるため、異変に気づいたら早めの原因究明と、確実な修理を行うことが、安心できる住まいを維持するために最も重要です。

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編集者プロフィール

小笹 正幸
小笹 正幸
1970年生まれ。建築業界歴29年。
大工の棟梁であった父を継いだわけではないが同じ業界に興味を持ち、大学卒業後、首都圏を中心とする建売会社に入社。現場監督を希望するも営業に配属される。3年後、地元の総合建設会社に新たに住宅部門が設立されるということでUターン。この会社で企画、不動産販売、分譲住宅販売、現場監督、メンテナンスと一通りの業務を経験させてもらう。その後、会社が倒産。残務処理中に色々なお客様から「違う会社行っても面倒を見て欲しい」といわれ、独立開業を決意。2008年1月にして創業16年目。
「私を必要とする人を全力で笑顔にする」ことをミッションとして行動しております。