外壁と屋根の塗装を同時に進めるメリット・デメリットとは?費用工期を解説

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家を長持ちさせ、美観を保つためには、外壁と屋根の定期的なメンテナンスは欠かせません。
多くの方が、これらの塗装工事を検討される際、「外壁と屋根、どちらか一方だけではなく、まとめて行うことはできるのか?」という疑問を抱かれることでしょう。
そして、もし同時施工が可能なのであれば、かかる期間や費用は単独で依頼する場合と比べてどう変わるのか、メリットやデメリットについても知りたいのではないでしょうか。

今回は、外壁と屋根の塗装を同時に進めることの可能性、その際の利点と欠点、そして費用や工期の実態についてご紹介します。

外壁と屋根の塗装は同時にできるか

外壁と屋根の塗装は同時に進められる

外壁と屋根の塗装工事を同時に進めることは、技術的にも工程管理上も十分に可能です。
多くの専門業者では、効率化を図るために、このような同時施工のニーズに対応しています。
ただし、そのためには、担当する職人の高い技術力と、現場全体を統括する監督者の綿密な連携が不可欠となります。
塗料の種類や乾燥時間、作業する場所の特性などを考慮し、安全かつ効率的に作業を進めるための計画が求められます。

同時施工は工程管理が重要になる

外壁と屋根の塗装を同時に行う場合、それぞれの工程が独立して進むわけではないため、全体の工程管理が極めて重要になります。
具体的には、足場を設置した上で、どちらの塗装から着手するか、塗料の乾燥時間をどのように確保するか、といった作業順序の最適化が求められます。
また、屋根塗装の際に飛散した塗料がまだ乾燥していない外壁に付着しないよう、細心の注意を払う必要があります。
これらの点を踏まえ、緻密なスケジュールと作業手順を計画・実行することが、品質を担保する上で不可欠です。

外壁と屋根の塗装を同時に行うメリットと注意点

メリットは工期短縮と足場費用削減

外壁と屋根の塗装を同時に行う最大のメリットは、工期を短縮できる点と、足場設置にかかる費用を削減できる点にあります。
通常、外壁塗装と屋根塗装を別々に行う場合、それぞれに足場を設置・撤去する必要が生じ、その都度費用が発生します。
しかし、同時施工であれば、一度の足場設置で両方の作業を完了させることができるため、足場費用の負担を大幅に軽減することが可能です。
これにより、全体的な工事期間も短縮され、施主様の手間も省くことができます。

注意点は工程の複雑化と業者の負担増

一方で、外壁と屋根の同時施工にはデメリットも存在します。
まず、作業工程が複雑化し、段取りが悪くなると、塗料の乾燥待ち時間が発生したり、塗料が意図しない箇所に付着したりするリスクが高まります。
これにより、予期せぬ追加作業が発生し、かえって工期が延びる可能性も否定できません。
また、二つの異なる箇所を同時に、かつ連携を取りながら作業を進める必要が生じるため、塗装業者側の負担は増加します。
職人同士の連携や、安全管理の徹底など、より高度なスキルと注意力が求められるため、一部の業者では対応が難しい場合もあります。

外壁と屋根の塗装を同時に進める際の費用と工期

工期は個別施工より短くなる傾向にある

外壁と屋根の塗装を同時に進める場合、一般的には、それぞれを別々に施工するよりも合計の工事期間が短縮される傾向にあります。
これは、足場の設置・解体作業が一度で済むこと、そして職人が効率的に作業を進めることで、全体の作業時間を短縮できるためです。
例えば、通常10日〜14日程度かかる外壁塗装と、5日〜7日程度かかる屋根塗装を別々に行うと合計で15日〜21日程度かかる場合でも、同時施工であれば10日〜14日程度で完了する可能性があります。
ただし、天候の影響や、建物の形状、依頼する業者の体制などによって、工期は変動します。

費用は足場代などが重複するため割安になる場合がある

外壁と屋根の塗装を同時に行うことで、費用面でのメリットも期待できます。
最も大きな要因は、足場設置・撤去の費用が一度で済むことです。
足場代は工事費用全体の中でも大きな割合を占めるため、これを削減できることは、総費用の節約に直結します。
さらに、業者によっては、まとめて依頼することで塗料代や人件費の割引を適用してくれる場合もあります。
ただし、工事内容や使用する塗料の種類、業者の見積もり方針によって費用は大きく変動するため、必ずしも大幅な割引が保証されるわけではありません。

まとめ

外壁と屋根の塗装を同時に行うことは、技術的には可能であり、適切に工程管理を行うことで、足場費用の削減や工期の短縮といった大きなメリットが期待できます。
ただし、作業手順が複雑化し、塗装業者側の負担が増加する側面もあるため、依頼先によっては注意すべき点もあります。
個別に施工する場合と比較して、全体的な費用が割安になる可能性はありますが、工事内容や業者の体制によってその効果は変動します。
最終的な判断を下す際には、信頼できる専門業者と十分に相談し、ご自宅の状況に最適な方法を選択することが重要です。

編集者プロフィール

小笹 正幸
小笹 正幸
1970年生まれ。建築業界歴29年。
大工の棟梁であった父を継いだわけではないが同じ業界に興味を持ち、大学卒業後、首都圏を中心とする建売会社に入社。現場監督を希望するも営業に配属される。3年後、地元の総合建設会社に新たに住宅部門が設立されるということでUターン。この会社で企画、不動産販売、分譲住宅販売、現場監督、メンテナンスと一通りの業務を経験させてもらう。その後、会社が倒産。残務処理中に色々なお客様から「違う会社行っても面倒を見て欲しい」といわれ、独立開業を決意。2008年1月にして創業16年目。
「私を必要とする人を全力で笑顔にする」ことをミッションとして行動しております。